船木喜行 バスクラリネットアルバム『Amabile』リリースいたしました!

アルバムの『コンセプト』と『聴きどころ』について、文章にさせていただきました。昨年10月のコロナ禍の中での収録における私自身のこの取り組みに対する『思い』が凝縮されているものです。長文にて恐縮ですが、よろしければぜひお読みくださいませ。興味をお持ちいただけました方々には、本作『アマービレ』をお求めくださいましたら非常に嬉しいです(本投稿のいちばん下にリンクをいくつか掲載しております)。何卒、よろしくお願い申し上げます。

【コンセプト】

バスクラリネット。近年、色々な素晴らしいプレイヤーのお力で『ソロ楽器』として認知されてきているような気がします。私自身も、微力ながら過去11回のリサイタルでは必ずバスクラリネットによる独奏を採り上げており、ファーストアルバム『Basspirit』(2010年リリース)でも委嘱作品を含む何曲かを収録いたしました。

今回のアルバム収録にあたっては、3つのテーマを柱としたコンセプトを掲げることにしました。第一に『バスクラリネットオリジナルのレパートリー紹介』として、楽器の魅力や特性を遺憾なく発揮した作品を3曲選びました。3曲それぞれが国も作風スタイルも異なる中で、バスクラリネットという楽器に対する愛情あるチャレンジを感じるところが共通しています。

第二は、バスクラリネットの魅力である広い音域それぞれの音色キャラクターを生かせるクラシックの名作への挑戦として『ブラームスのクラリネットソナタへのチャレンジ』です。バスクラリネットでのブラームス……誰かが既に取り組んでいたようで取り組んでいなかったチャレンジ。クラリネット室内楽の白眉といえる作品への畏敬の念もありつつ、楽器の魅力を生かすにあたっての音楽的な力を充分に有する曲との思いで、あえてチャレンジに踏み切ることにしました。ブラームス自身によるヴィオラでの版も有名であり、管楽器ではサクソフォーンやファゴットでの取り組みも見られる中、バスクラリネットでのチャレンジがこの名曲に新たな色を添えることが出来ればとの願いもあって、今回の収録へと至っています。

最後は、親しみやすい作風による『バスクラリネットの歌』です。音色に独特のキャラクターを持つ楽器ゆえ、美しいメロディを演奏した時にはまた特有の『味』があるものと感じています。その『味』が伝わる作品として、プーランクの有名な歌曲と吹奏楽を原曲とする情緒ある調べをお届けします。

【聴きどころ】

収録された曲すべてに共通するところとして、『バスクラリネットの広い音域それぞれに違う顔を持つ音色のキャラクター』をお楽しみいただければと思っています。また、収録作品のスタイルも幅広く変化に富んだものとなっていますので、様々な音楽の中でバスクラリネットという楽器がどう歌うかという事にも注目していただけましたら幸いです。

私が活動を始めた当初の20年弱前からすると、ソロ楽器としての認知が進んできているバスクラリネット。『バスクラリネットでもソロが出来るものだ』と示していく時代はもう過ぎ去り、次の段階に進んでいる事を個人的には感じています。温かさ、渋さ、美しさ、野性味、しなやかさ、激しさ……たくさんの語彙で表しきれないほどの表現力を有する楽器であるという『さらなる可能性』、様々な音楽に取り組む事によって開かれる『新たな境地』の一端でもご紹介することができればという思いで取り組みましたので、聴きどころとして片隅にでも置いていただけましたら幸甚に思います。

……以上、アルバムのコンセプトと聴きどころでした。なかなか一言であらわすのは難しく、様々な思いがあるゆえに長くなってしまいました。最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

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