VMO演奏会、終演いたしました。

2021年を迎えて、収束するどころかますます混迷の最中にある世情の中、昨日1/16に予定されていたVMO(ヴェントムジカオルケストラ)の演奏会が無事終演いたしました。団員はじめ関係者の皆さま、お手伝いいただきました皆さま、ご来場の皆さまに厚く御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

オリンピック。ディズニー。ミュージカル。ステージショー。今回の演奏会プログラムは、『エンターテイメント』をテーマにしたものでした。いずれも、演者(オリンピックの場合は選手)がそれぞれの舞台で表現をして、それを観客が楽しんだり感動したりする『エンターテイメント』。そこには、何かしらの形で『音楽』が密接に関わっています。

この演奏会を企画した2019年末の段階では、まさか世界中がこんな事態になるとは誰も予想していなかったでしょう。その事により、エンターテイメントも未曾有の危機に瀕する事態となってしまいました。昨日の本番は、そうした状況のエンターテイメントに思いを馳せるという意味合いを含めたものにも、奇しくもなってしまった感がありました。

今回の演奏会を開催するにあたり、その決断に対しては賛否両論があることでしょう。演奏会の開催中止や、活動自粛の決断をしている団体がある事も耳に入ってきております。

それに対する私自身の見解としては、開催を決断する事にも中止や自粛を決断する事にもそれぞれの『思い』や『考え』が存在すると思うので、少なくとも現時点ではいずれが正しくていずれが間違っているという話ではないということです。今回開催を決断したVMOの事は(先述の見解に加えて、音楽監督を務める立場としての観点からも)全面的に支持しています。同時に、中止や自粛を決断している他団体の『思い』や『考え』についても尊重されて然るべきと思っていますので、開催の決断そのもの『だけ』が正しいと思っているわけではないという事も、念のため申し上げておきます(つまり、今回VMOが中止の判断をしていたとしても、全面的支持のスタンスは変わらないという事です)。

人は置かれている立ち位置によって異なる見解を持つものですし、物事は見る角度によって違う映り方をするものです。公序良俗に反するものや著しく道義に外れたものでない限り、それぞれの見解やそこに基づく発言は最大限尊重される筋合いにあると思います。それはそうとして、昨今ネット界隈でよく見られる『自論自説を振りかざして他人を叩く言動や誹謗中傷の類』については、およそ文明社会の大人としてのまともな振る舞いではないと思っています。昨今に始まった事ではありませんが、コロナ禍によりひどくなったような気がするのは私の思い過ごしでしょうか(もちろん、きちんとした自説の主張や建設的な議論をされている方々もいらっしゃいますし、自分には及びもつかないご慧眼に気づかされたり考えをアップデートするきっかけに遭遇することもあるので、何もかもがひどいわけでは当然ありません)。

いずれにせよ、現状のような混迷した状況が何らかの形で良い方向に向かうことが望まれます。少なくとも私が実感した現実として言えることは、昨日ご来場いただきました方々の拍手はとても温かいものでした。それだけでも、開催を決断した団員たちの心は報われたのではないでしょうか。加えて、喜んでいただけたとのメッセージもいくつか頂戴いたしました。会場で聴いてくださった方々にとって「今日は来てよかった」という気持ちになるようなものであったならば、この音楽会が開催された意味は間違いなくあったのだと思います。

未だ、どのような言動が正解なのかが見えづらい状況です。むしろ、現時点で正解は存在しないと考える事もやむを得ないのかもしれません。そんな時だからこそ、お互いの立場や考え方を尊重し合いながら建設的に生きていくスタンスをとることが大事かと思います。昨日の演奏会を通じて、改めて『早くみんなが心置きなく集まれる世の中になる事を願う気持ち』が強まりました。こんな時に不謹慎と思われる方がいらっしゃるのは承知しておりますが、やはり『たくさんの方々にご来場いただきたいという気持ち』や『終演後にみんなで楽しく打ち上げをしたいという気持ち』は消えることがありません。『演奏会や舞台を観て楽しみたいという気持ち』も同様です。粛々と過ごす事を余儀なくされる日々の中でも、心にこうした灯を絶やさないことが今は一番大事なのかもしれません。

最後になりましたが、本来この記事の持つ意味は『演奏会が開催された事の報告と御礼』ぐらいのものでした。これまでは考えなくてもよかったような事に対して色々と考えなければならない時代になってきていることを実感します。長文になってしまいまして大変恐縮ですが、未だまとまりきらない思考の一端としてご理解いただけましたら幸いです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

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